2004年ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、続く2005年バイエルン放送交響楽団との来日ツアーで、クラシック音楽専門誌のコンサート・ランキングにおいて2年連続の第1位に選ばれた指揮者マリス・ヤンソンス。日本の聴衆に衝撃を与えた両公演は"希有の音楽体験"として今でも伝説のように語り継がれています。
また今年、元旦恒例のウィーン・フィル「ニューイヤーコンサート」で初の旧ソ連圏出身指揮者として招かれたことも記憶に新しいところ。世界中に中継されるこの演奏会は日本でも例年NHK-BS2と教育テレビで放映、今回は総合テレビで初めてその全貌が生中継されました。ヤンソンスの華麗な指揮姿を初めてごらんになった方もいらっしゃるでしょう。このスペシャルコンサートの指揮台に立てるのは、言うまでもなく特別なマエストロだけです。ただしヤンソンスの場合、こうした音楽界のお墨付きより、ホールで実際に熱狂した人々の興奮を伝え聞くほうが、彼の"旬"の実像にふさわしい気がします。
オランダの名門ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団は、先代の首席指揮者シャイ−、先々代のハイティンクがそれぞれ30代半ばで就任して長い年月をともに歩んだように、若い才能を抜擢して成功をおさめ、長く栄光の実績を誇ってきました。
ところが2年前、首席のポストに迎えられたヤンソンスは当時61歳。ふだんクールなこのオーケストラが、実は以前からどれほど彼に惚れ込んでいたかを感じさせる微笑ましいエピソードが伝わっています。
ヤンソンス客演時代のこと、降り番の楽員たちが後半の指揮を聴きたいあまり、休憩中に満員のホールで必死に空席を探していたというのです。
包容力のあるチャーミングな人柄と、音楽に全精力を注ぎ込む情熱で楽員を夢中にさせたヤンソンスの強烈なカリスマは今、世界各地で勢力を広げ、次々と聴衆をとりこにしています。
重厚かつ優美なコンセルトヘボウ管の伝統的なサウンドを輝かせ、色彩で満たし、そこに巨大な音楽の魂を立ちのぼらせるヤンソンス。
この度「くらしきコンサート」のステージにお迎えできる歓びを、みなさまとご一緒に分かち合いたいと思います。
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